フロイトとユングは人間の心の中に無意識という領域があることを発見し、哲学の歴史に大きな影響を与えました。
「素人がわかりやすく解説してみた」シリーズのリンク集は以下の記事になります。
フロイト-無意識の発見

フロイトは今から100年ほど前のオーストリアの心理学者です。
彼の思想はそれまでの哲学の歴史に大きな衝撃を与えました。
哲学はざっくりと言えば人間の頭で物事の真理を追究する営みです。
しかしながらフロイトは、人間には意識できない、つまり考えることができない無意識の領域があると主張しました。無意識の中には性的衝動などの本能的な欲望が抑圧されて蓄積され、人間が行動するための原動力になっているというのです。
性的欲求について人前で話すことは基本的にタブーでしたので、フロイトの主張は衝撃的でした。
人は性的欲求を解消できない場合、自らの無意識の中に閉じ込めて抑制します。
フロイトはこの状態をコンプレックスが溜まった状態と表現しました。
無意識、自我、超自我

フロイトによると、人間の心の中には無意識、自我、超自我の三つの領域があります。
無意識は人間が行動する原動力であり、アクセルのような役割を持っています。
無意識の中に溜まったコンプレックスは非常に強大なエネルギーを持っており、このエネルギーを勉強やスポーツなどに発散することができれば、大きな力を発揮することができます。
次に自我というものがあります。これは無意識というアクセルを制御しようとするのですが、無意識のエネルギーに圧倒され、振り回されてしまう存在です。
3つ目が超自我です。これは人間のブレーキのようなもので、無意識を抑制しきれない自我を罰する役割があります。
超自我とは人が教育によって教えられる常識のようなものです。人前で性的な発言をしてはいけないなどの常識を理解しているのは超自我です。
自我は無意識の持つ欲求と超自我の持つ社会の常識を調整しなければならず、とてもかわいそうな立ち位置にいます。
あなたはフロイトの考えについてどう思いますか?
私たちの心は三つの要素でできているなんて意外ですよね。
無意識は人間が意識できないものなので実感が湧かないですが、確かに存在するであろうと考えられています。
無意識の力-創造と破壊

無意識の中に溜まったコンプレックスは非常に強大なエネルギーを持っており、何かを創造するための原動力になります。
しかしながら一方で、自己を破壊するエネルギーにもなるとフロイトは考えました。
あなたは何かを作り上げた後、それを壊して、また作り直したいと考えたことはないでしょうか?
もしくは何か夢を達成した後、その夢を捨てて新たな夢を追いかけたいと考えたことはないでしょうか?人間は創造と破壊の間で揺れ動いている存在なのかもしれません。
ユング-集合的無意識の発見

ユングは今から100年ほど前のスイスの心理学者です。
彼は無意識の下には更に集合的無意識が存在していると主張しました。
無意識は性的欲求がコンプレックスとして蓄積されたものであり個人によって異なるのに対し、集合的無意識は時代を超えて全人類が共有している無意識です。
集合的無意識には神話、宗教、狩りをして生活していた記憶、理想の異性像など、時代を超えた記憶のイメージが蓄積されています。
例えば男性が女性に求めるもの、もしくは女性が男性に求めるものは全人類で共通しており、それは全人類の集合的無意識が原因であると考えられています。
集合的無意識も人間が意識できないものなので実感が湧かないですが、確かに存在するであろうと考えられています。
ここまでくると考えるよりも感じるしかないですね。
無意識の存在を信じるか信じないかはあなた次第です。