フロムは第1次/第2次世界大戦を経験したドイツの社会心理学者です。人間が個人として主体的に生きる必要性を説きました。
「素人がわかりやすく解説してみた」シリーズのリンク集は以下の記事になります。
ファシズム-全体主義

ファシズムとは簡単に言うと、個人よりも国家が大切だという考え方です。イタリアやドイツで広がりました。イタリアではムッソリーニ、ドイツではナチスという独裁者がいて、国民はその独裁者に付き従います。
着目したいのは、その独裁者を選んだのは国民であるという点です。独裁者は公正な選挙によって選ばれました。
なぜ国民はそのような独裁者を望んだのでしょうか?
自由からの逃走

人間は自由を手にすると不安になります。
いつでも好きな時間に好きな場所で好きなことをしていいよと言われたとします。とても嬉しいですよね。ですが一方で、何をしたらよいか分からず不安になったりしませんか?やるべきことが与えられていたほうが安心するのもまた人間の心情です。
小学生から高校生までは、親や教師に言われたことをやっていればよかった。
そして大学生にもなると親や教師から離れ、自由な時間が増えます。しかしいざ自由な時間が与えられると、何をしてよいか分からず不安になります。誰に聞いても答えを教えてくれません。とりあえず皆がやっているように部活やサークル、アルバイトを始めたりしますよね。
人は自由を欲しいと言いながら、いざ自由を手に入れると不安になり、自由を何か他の人やものに預けたくなるものです。何かに縛られているほうが、みんなと一緒の方が安心だからです。
ファシズムが広まったイタリアやドイツの国民も、自らの自由を独裁者に預けることで安心を得たかったのではないでしょうか?
主体的に生きる必要性

ファシズムは歴史的に見て悲惨な結末を迎えます。
ナチスによるユダヤ人虐殺はあなたも聞いたことがあるはずです。国民は独裁者を崇め、一方ではユダヤ人を虐殺する。そうすることで心のバランスを取っていたのかもしれません。
フロムは個人が主体的に生きる必要性を説きました。
私もこの考え方に賛成です。自由は怖いものですが、一人一人が自由を受け入れる必要があります。そして自分の頭で考え、個人が主体的に生きていく必要があるのです。自分がいつどこで誰と何をするか、自分の人生は自分の意思で決定していきましょう。