パース・ジェームズ・デューイは今から200年ほど前のアメリカの哲学者です。彼らは実用主義を唱えた哲学者でした。実用主義とは簡単に言うと、行動や結果につながる知識にしか意味がなく、絶対的な真理など存在しないという考え方です。この時代のアメリカは国家が成立したばかりで、これからどんどん成長していこうという時代でした。そんな時代だからこそ、実用主義のような考え方が生まれたのかもしれません。
「素人がわかりやすく解説してみた」シリーズのリンク集は以下の記事になります。
パース-役立つ知識が真理だ

パースは実用主義を最初に唱えた哲学者です。
実用主義では行動や結果につながる知識を真理と考えました。
例えば毎日沢山ご飯を食べたら痩せるというダイエット法があるとします。
これは実用主義に照らし合わせると真理でしょうか?答えは否です。
なぜなら行動に繋がらないからです。だって毎日沢山ご飯を食べたら痩せるなんて誰も信じませんよね。誰もそのダイエット法をやらない。行動に繋がらない知識は役に立たないので真理ではありません。
それでは毎日30分走れば痩せるというダイエット法ならどうでしょうか?今度は痩せそうな気がしますよね。このダイエット法を聞いて人が行動に移し、実際に痩せることができれば、このダイエット法は真理であると考えるのです。
このように、実際の行動と結果によって真理かどうかが変わる。絶対的な真理は存在しないという考え方を実用主義と言います。
この考え方についてあなたはどう思いますか。
私たちは基本的に勉強が嫌いです。この勉強ってなんの意味があるの?と考えがちですよね。実用主義は多くの人々に受け入れられやすい思想かもしれません。
ジェームズ-有用主義

ジェームズは有用主義を唱えました。これはパースの唱えた実用主義をさらに発展させたものです。
彼は実用主義を神や善悪の問題にまで適用しました。
神は存在するか?
有用主義の考え方に則ると、神が存在すると考えたほうが私たちの生活が豊かになるのであれば存在する。逆に神が存在しないほうが私たちの生活が豊かになるのであれば神は存在しないということになります。
善悪についても同じです。私たちの生活に役立つ知識であればそれは善い知識であり、私たちの生活に役立たない知識であればそれは悪い知識であると唱えました。
ジェームズの考え方もわかりやすいですね。現代の日本でも多くの人々に受け入れられやすい考え方ではないでしょうか?
デューイ-道具主義

デューイは道具主義を唱えました。これはパースの唱えた実用主義やジェームズの唱えた有用主義をさらに発展させたものです。
少し言葉が違いますがこの3人の主張は大体同じです。
デューイは知識を道具であると捉えました。役に立つ知識(道具)であれば作業効率が上がり、役に立たない知識(道具)であれば作業効率が下がると考えたのです。現代であればパソコンの知識は役に立つので意味がありますが、哲学の知識は役に立たないので意味がない知識でしょうか…
実用主義はアメリカの成長期に生み出された思想であり、アメリカが経済発展するのに役立った思想であると考えられます。
ですが経済発展が進んだ現代の私たちには実用主義がどのように映るでしょうか?
私は少し物足りない気がします。
この世界には一見役に立たなさそうな知識が沢山あります。ですがそのような知識こそ、個人の個性を育てたり、個人の生活に彩りを加えてくれるのではないでしょうか?