約1500年以上もの間、キリスト教が人々の考え方に大きな影響を与えていました。やがてキリスト教の権威が衰えると、ルネサンス運動が起こりました。キリスト教の価値観から解放され、哲学の歴史は再スタートを切ったのです。
「素人がわかりやすく解説してみた」シリーズのリンク集は以下の記事になります。
哲学の停滞-社会がキリスト教一色に

古代ギリシャを中心に発展した哲学は、今から約2000年ほど前に停滞期に突入しました。
それから約1500年間もの長期に渡り、人々は宗教、特にキリスト教を信じるようになりました。
社会もキリスト教一色に染まっており、建築物や絵画なども宗教的なものが作られるようになりました。人々はただ神様を敬い、自分は下等な存在であると考えたのです。
こんな時代では哲学は進歩しません。「人はどのように生きるべきか?」、「世界はどのように成り立っているか?」などの問いに対して答えを模索するのが哲学でした。ですが宗教が人々の思考を支配すると、「人は神様を敬って謙虚に生きなければならない」、「この世界は神様が創造された」、という具合に全ては神様の思し召しということになってしまいます。これでは人間が主体的に考えることができませんよね。全ては神様が創造されたと言われてしまうと、哲学はそこで終わってしまいます。
哲学の再出発-ルネサンス

そんなキリスト教も徐々に力を失っていき、今から約500年ほど前にルネサンス運動が起きました。
ソクラテス・プラトン・アリストテレスなど古代ギリシャの哲学者は自分の頭で物事を考えていました。そんな古代ギリシャの哲学を研究し、もう一度人間が主体的に物事を考え始めることになりました。宗教一色だった建築物や絵画も徐々に変わり始め、個人の独創的なアイデアが反映されるようになってきました。
宗教が流行っていた時代は、ある意味人々に元気がなかったと言えます。神様という絶対的な存在がいて、人間は下等な存在であると考えていては自信を失いますよね。
どうせ人間には無理だ。と考えてしまうのはしょうがないと思います。ルネサンス以降、人々は元気を取り戻しました。人間は何でもできる。と考えて自信を取り戻したのではないでしょうか?
何か夢や目標を成し遂げるに当たって、自信というのは非常に重要です。自分にはできると心の底から思うことができたなら、大抵のことは上手くいくものです。大人はできるだけ子供を褒めてあげてください。子供が自信を持つことができたなら、将来色んなことを成し遂げられる大人に育つと思います。
人間が力を取り戻す

ルネサンス以降、宗教という縛りから解き放たれた人間が元気を取り戻しました。
例えばレオナルド・ダヴィンチという人が出てきました。彼は画家として有名ですが、解剖学、数学、天文学など、ありとあらゆる学問を一人でこなした天才でした。彼は宗教に縛られず、自然や人間をありのままに捉えた絵を描きました。
またコペルニクスやガリレオ・ガリレイという天文学者も現れました。
キリスト教の時代は神様や地球を中心にあらゆる天体が回っていると考えられていました。これを天動説と言います。彼らは自然をあるがままに観察し、実は地球が太陽の周りを回っているということを発見します。これを地動説と言います。ガリレオ・ガリレイは地動説を発表するのですが、キリスト教の教えに反するという理由で迫害を受けることになりました。しかし彼は自然をあるがままに観察することをやめず、ものが高いところから低いところへ落ちるという重力の法則なども発見していきます。
このようにルネサンス以降、キリスト教から解放された人々は人間や自然をあるがままに捉え、目で見たもの耳で聞いたものを頼りに物事を解明していきます。この頃から科学が発展を始めていくのですね。
現代を生きる私たちは科学技術の発展により豊かな生活を送ることができていますが、人間が元気を取り戻したこの時代から科学が発展したと言えます。
キリスト教に関する補足

この時代のキリスト教はネガティブな捉え方をされることがありますが、現在も世界中に信者がいることからも分かる通り、非常に素晴らしい教えです。
私もキリスト教の教えが大好きなので、別の機会に改めて紹介したいと思います。
神様が上で人間が下という考え方は、もともと人間が謙虚に生きるための教えなのですが、解釈の仕方が悪いと、人間を抑圧することにつながるのかもしれません。