動乱の時代を生きたゼノンは、心の平安を求めて独自の思想を展開しました。人は自然の一部であり、自然の秩序に従って生きるよう説いたのです。
「素人がわかりやすく解説してみた」シリーズのリンク集は以下の記事になります。
ストア派ゼノン-人は自然の一部である-

今から約2000年ほど前の古代ギリシャは変化の時代を迎えていました。外国の国々と交流が盛んになったのです。古代ギリシャの国の中で住み慣れた生活をしていた人々は、外国との交流が始まると不安になります。
ゼノンも前回のエピクロスと同様に動乱の時代を生きた人でした。
ゼノンは「人は自然の一部である」と主張し、心の平安を作り出そうとしました。
この考え方もよく分かります。
私たちは何か辛いことや悲しいことがあった時、空を見上げたり海を眺めたりしませんか?自然は人間の感情とは関係なく、自然の法則に従って規則的に動いています。朝になると太陽が昇り、夜になると沈みます。川はいつも同じ方向に流れています。
動乱の時代を生きたゼノンもそんな自然の中に心の平安を求めたのではないでしょうか?
人や社会のような移ろいやすいものではなく、自然のような秩序のあるものに思いをはせて。
禁欲主義-自然の秩序に従って生きよ-

ゼノンは禁欲主義という独自の思想を説いたといわれています。
禁欲主義は食欲・性欲・睡眠欲などを我慢せよという意味ではありません。
人間は感情の生き物なので、欲を抑えれば抑えるほどそれを満たしたくなるものです。
ただ、過度に欲を満たすことはやめなさいと言っています。
あなたはこの考え方についてどう思いますか?
私は半分賛成で半分反対です。
過度な欲望は良くないと思いますが、それでも人間は我慢できない生き物です。
我慢できなかったとしても、そんな自分にうしろめたさを感じる必要はないと私は思います。
欲望を感じたのであれば、上手に解消すればいいのです。例えば欲望を芸術やスポーツで解消する方法もあります。人に迷惑をかけない程度に自分なりの欲望解消法を見つけてはどうでしょうか?
人は欲望を最大限まで満たしたとき、その虚しさに気づくはずです。
そんな時ゼノンの思想を思い出してみてください。
ゼノンは自然の秩序に従って理性的に生きることが人間の真の幸せであると考えました。人間は自然の一部であると考え、自然とともに生きる。その感覚を心の底から感じることが出来れば、真の幸福に辿り着けるのかもしれません。