<こんな方の悩みを解決する記事です>
- 司法試験、予備試験に合格したい
- おすすめのテキストや問題集を知りたい
- 予備校を利用するか悩んでいる
- 独学は可能か知りたい
- 法学を学びたい
以下、特に記載なければ「司法試験、予備試験」を「司法試験」で統一します。
六法
六法
法律学習における最重要アイテムは六法です。
騙されたと思って、最新版を新品で買いましょう。これ必須です。
法律初心者は六法の重要性が分からないと思います。
学生の頃に使っていた国語辞典や英語辞典とは違います。
大学受験では国語辞典や英語辞典がなくても問題ないですが、司法試験は違います。
六法は司法試験受験生の唯一の武器です。
司法試験の天王山である論文式試験では六法を片手に問題と格闘します。
定番の六法は「ポケット六法」と「デイリー六法」です。
シェアが高いのは「ポケット六法」ですが、個人的には「デイリー六法」がおすすめです。
「デイリー六法」の方が色使いが適切で分かりやすいです。
どうしても「ポケット六法」が使いたい場合は、そちらでも構いません。
判例六法
「判例六法」は学習が進んでから必要に応じて購入すれば良いと思います。
判例六法は通常の六法に加えて「判例」が載っています。
通常の六法と値段がほぼ変わらないので、最初から判例六法を買った方が良いという考えもあります。
ただし六法は多用するので、使っているうちに判例が邪魔に思えてきます。
判例六法だと例えば177条の後にたくさんの判例が載っていて中々178条にたどり着けないなど。
司法試験論文式試験で使用する六法には判例が載っていません。
普段から判例なしの六法で学習した方が、ページをめくる感覚も鍛えられます。
判例六法Professionalは判例六法よりも収録されている法令数が多いです。
後ほど解説しますが、司法試験では選択科目8科目の中から1科目を選択します。
例えば知的財産法を選択すれば通常の「六法」や「判例六法」に記載があるので問題なしです。
しかし例えば租税法は判例六法Professionalにしか記載がありません。
選択科目によっては判例六法Professionalを購入するしかありません。
ただ判例六法Professionalは値段が高く、何より分厚くて扱いづらいです。
まずは通常の六法を買っておいて、例えば租税法はネットから印刷もありです。
もしくは租税法だけ専用の六法を買っても良いですが結構良い値段します。
選択科目における六法
結局最適解が悩ましいですが、「デイリー六法」は必須。判例六法は必要に応じて購入。
選択科目は印刷代とも相談しながら必要に応じて別途六法を購入でしょう。
あと司法試験を受験するか迷っている方は、以下の入門書から読み始めるのもありです。
入門書を読んでいる間は法令をネットで調べることも可能です。
ただ入門書読了後も法令をネットで調べるのはやめましょう。
紙の六法を使って、学んだ条文はマーカーしながら法律を自分のものにしていきましょう。
入門テキスト
伊藤真の入門シリーズ
法律初心者は薄い入門書から読むことをおすすめします。
これ一冊では全然足りないので最初からレベルの高い本を読んだ方が良いという考えもあります。
しかし司法試験は科目数が非常に多いため、まずは全科目を一周することが非常に重要です。
レベルの高い本は一冊読むのに時間がかかり、全科目一周する頃には最初の内容を忘れています。
過去の自分への戒めも込めて繰り返しますが、騙されたと思って薄い入門書から読んで下さい。
薄い入門書の定番として、「プレップ○○法」や「有斐閣ストゥディア」シリーズもあります。
しかし個人的には伊藤塾の本が非常に分かりやすくておすすめです。
今後の学習においても伊藤塾の本にはお世話になるので、入門書も伊藤塾で揃えたくなりました。
因みに、この本を読んでも司法試験の問題は解けないです。
あくまで入門書として、読み物として読みましょう。
時間がない方は1冊目の「法学入門」は飛ばしても良いでしょう。
最新版を買うべきか
法律は改正されるため、法律書は原則最新版で読んだ方が良いです。
ただし入門書は数回読んだらほぼ使わなくなるので、お金のない方は古い版を中古で買うのもありです
ただし法律改正情報をよく調べてから買いましょう。
例えば民法は平成29年、30年に大きな改正がなされたので平成30年以降の本を買うなど。
しかし社会人はケチらず最新版を買った方が良いです。綺麗な本で読んだ方がやる気がでます。
中古本は買ってみないと状態分からず、汚れやにおいが目立つと結局買い直すことにも。。
この入門書はKindle unlimitedで無料で読めるので1か月で読み切るのもありです。
私は1日1冊ペースで読みました。
基本書や予備校本
呉基礎本(伊藤塾)
基本書の選択は気をつけましょう。
これから司法試験と戦うための相棒ですが、ピンからキリまであります。
結局、伊藤塾の呉基礎本(予備校本)がおすすめ。司法試験に必要十分な内容のみ厳選されています。
学者が書いた本(基本書)は詳しいですが、その価値が理解できるのは司法試験が終わった後です。
法律書は日本語なので読むだけなら簡単ですが、その内容を本当に理解するのは難しいです。
法律書を読む→問題集を解く→法律書を読む→・・・の繰り返しで身につけていきます。
司法試験本番まで何度も読む本なので、最新版を新品で購入するのが原則です。
ただこの本も多少古い版であれば中古で購入するのもまだ許されます。
伊藤塾試験対策講座
これは非常に悩ましいのですが、先に紹介した呉基礎本は司法試験全科目を網羅していません。
具体的には商法(会社法)、民事訴訟法、行政法が出版されていません。
この点非常に悩ましいのですが、同じ伊藤塾の試験対策講座にせざるを得ないかと思います。
同じ伊藤塾の本なので分かりやすいですが、本のサイズが大きく分厚いので読了に時間がかかります。
ただ一度読了してしまえば2週目以降は楽なので頑張ってみるのもありです。
基本書(商法)
会社法は定番の基本書を読むという手もありますが。。
やはり司法試験に関係ない内容も含むので読みずらい気がしています。
先に紹介した伊藤塾の薄い入門書よりも詳しめの「有斐閣ストゥディア」シリーズを使うか。。
しかしこの本は会社法の全範囲を網羅していません。
結局、市販本なら伊藤塾で揃えるのが原状最適解かと思います。
もしくは予備校を利用するか。。後述します。
商法(会社法以外)であれば薄い本があるので基本書でも良いかと。
ただ司法試験としては重要度低いのでのめり込み過ぎないように。
基本書(民事訴訟法)
民事訴訟法の定番基礎本も紹介します。
これらの本も詳しすぎて難があると思います。
自分で削りながら読めるのであれば良いですが非常に難しいです。
司法試験対策において、基本書は詳しければ詳しいほど良いということにはなりません。
非常に範囲が広い試験なので、どこを削れるかが勝負になります。
反復学習により身につけていく必要があるので、分厚い本はやめた方が良いです。
一応「有斐閣ストゥディア」シリーズも載せておきます。
基本書(行政法)
超定番の基本書です。
しかし個人的には予備校本がおすすめです。繰り返しになるので割愛します。
一応「有斐閣ストゥディア」シリーズも載せておきます。
予備校教材の活用
伊藤塾の呉基礎本が全科目揃っていない現状を考えると、予備校の活用も考えられます。
呉基礎本が出ていない科目だけ受講するでも良いと思います。
定番の予備校は伊藤塾かアガルートだと思います。
ざっくりですが、伊藤塾は分かりやすくてアガルートはレベルが高いです。
司法試験学習において最も重要なのは問題集ですが、この基礎を学ぶ段階も後から効いてきます。
特に論文式試験は基礎をしっかり理解していないと解けないです。
本で学ぶよりも動画や音声で学習した方が理解が進むのは間違いありません。
本で学んだほうが早くて効率的だという考えもあります。
ただ司法試験の場合は答えが一つではなく、本だと微妙なニュアンスが分かりません。
司法試験は重要度のグラデーションが非常に細かく、範囲も膨大です。
本当に重要な所に絞って深めていく学習をしないといつまでたっても合格できません。
基礎を学ぶ段階が一番時間がかかるので、独学派でも司法試験だけは予備校利用をおすすめします。
どれだけ時間がかかっても良いなら予備校なしでも合格は可能です。
伊藤塾の入門講義テキスト(基礎マスター)
法律の基礎をマスターする段階では伊藤塾が分かりやすくておすすめです。
テキストだけを見るとアガルートよりもしっかり記載されています。
ただ後述する問題集はアガルートが素晴らしいので、アガルートで揃えた方が後々便利かも?
アガルートの総合講義
アガルートの総合対策講座→「総合講義300」か「総合講義100」を選びます。
総合講義300は初心者向け、総合講義100はある程度自信がある人向けです。使用教材は共通です。
因みにメルカリなどで予備校教材が販売されていますが、おすすめしません。
テキスト自体は非常に簡素なので、講義無なら市販書の方がよっぽど質が良いです。
問題集
新伊藤塾試験対策問題集
司法試験において六法の次に重要な問題集です。
司法試験の学習は問題集を繰り返すのが基本の勉強です。
最もよく使用する本なので、最新版を新品で買いましょう。
新伊藤塾試験対策問題集は非常に分かりやすくて非常におすすめです。
論点網羅型(大学受験でいうチャート式のようなもの)で学習しやすいです。
司法試験では論点を落とすという大きな失敗を防ぐことが重要です。
その意味で論点網羅型の問題集を選ぶべきだと思います。
この本を完璧にマスターすれば70%くらいの確率で司法試験合格できます。
「70%くらい」というのは、この問題集で全ての論点を網羅しているわけではないからです。
合格確率を上げるため万全を期すなら、後述するアガルートの重要問題習得講座がおすすめです。
司法試験の学習順序について
因みに司法試験には短答式と論点式がありますが、論文式の問題集から始めて下さい。
短答式は広く浅くなので初学者はどこが重要か分からずメリハリが付けられず習得困難に陥ります。
論文式は狭く深くなので、ここで法律の基礎をきちんと学ぶことができます。
論文式の後に短答式をやれば、論文式で学んだ内容の再確認ができます。
論文式で学ばなかった内容にメリハリをつけて覚えればよいので学習がはかどります。
司法試験において学習の順番は非常に重要なので気を付けましょう。
司法試験論文式試験の学習法
論文式試験はその名の通り論文を書く必要があるので相当ハードです。
付け焼刃の知識では歯が立たず、人に説明できるくらいの理解が必要です。
また正解は一つではないので、学習方法に苦労します。
まずは信頼のおける問題集の参考答案を熟読しましょう。
問題集は最初から解けるはずがないので、問題を読んだ後すぐに参考答案を読んだ方が効率的です。
問題と参考答案を何度も読んで、試験本番前になって初めて問題を解くイメージでも大丈夫です。
参考答案をそのまま再現する必要はないのですが、最低限必要な内容があります。
「新伊藤塾試験対策問題集」は最低限必要な内容が分かるように書かれているので素晴らしいです。
伊藤塾試験対策問題集 予備試験論文
予備試験受験生は民事実務基礎と刑事実務基礎対策も必要です。
新伊藤塾試験対策問題集には無い科目なので、こちらを使用します。
因みに新伊藤塾試験対策問題集との違いを説明しておきます。
「伊藤塾試験対策問題集 予備試験論文」は予備試験の過去問を中心に収録しています。
実践感覚を養うのにおすすめです。
新伊藤塾試験対策問題集と予備試験論文の違い
では、「新伊藤塾試験対策問題集」と「伊藤塾試験対策問題集 予備試験論文」両方必要か?
個人的には「新伊藤塾試験対策問題集」だけで十分かと思います。
資格試験における過去問の重要性は重々承知しているのですが、司法試験では考え方が少し違います。
先述の通り、論点を網羅的に学習することが大切なので、そちらを優先すべきです。
予備試験の過去問はやってもよいですが、「新伊藤塾試験対策問題集」で学ぶ論点と重複するので。
予備試験の過去問は本番前の力試し(確認用)に使用するのでも良いと思います。
結論、「伊藤塾試験対策問題集 予備試験論文」は民事実務基礎と刑事実務基礎のみで良いです。
もちろん時間があるのであれば予備試験の過去問を全部解いても良いですが。
因みに「伊藤塾試験対策問題集」(頭に新がついていない)もありますが古すぎるのでやめましょう。
スタンダード100
論点網羅型問題集と司法試験・予備試験の過去問がすべて収録された夢のような本です。
ただし問題の解説がほぼ無く、参考答案の質が微妙な問題もあります。
問題集において参考答案の質が悪いことは致命的です。
もちろん質の良い答案もあるのですが、毎回問題を解くたびに疑心暗鬼になるのは辛いです。
先述の通り司法試験学習の基本は問題集なので、ここが信用できないと辛いです。
勉強が進んできた段階で参考答案に納得できず買い直すという後戻りは避けたいです。
ただし論点網羅率と過去問網羅率は最高なので参考書として持っておくのはありです。
他の問題集をやりながら、足りない論点のみスタンダード100で学ぶという方法もとれます。
アガルート実況論文講義
司法試験予備校のアガルートが出版している問題集です。
問題、解説、参考答案の質は新伊藤塾試験対策問題集並みに素晴らしいです。
ただ問題数が少ない(論点網羅率が低い)のが最大の欠点です。
この本だけで司法試験に合格するのは非常に難しいと思います。
実況論文講義の完全版が、後述する重要問題習得講座です。
アガルート重要問題習得講座
市販の問題集ではないのですが、問題集の中で一つだけ選ぶなら重要問題習得講座がおすすめです。
論点網羅率が素晴らしく(スタンダード100と同等レベル)、参考答案も信頼できます。
また解説も分かりやすく書かれています。さすが予備校教材です。
価格が10万円ほどしますが、後から振り返るとそこまで高い買い物ではありません。
司法試験は科目数が多いので、例えば「新伊藤塾試験対策問題集」を全科目揃えるだけでも数万円。
後から他の問題集を買い足したりしていると軽く10万円超えてしまいます。
それならアガルート重要問題習得講座をはじめから購入した方が安上がりな場合もあります。
そして市販の問題集で満足できず買い直すとなると、時間的にも後戻りになり効率が悪いです。
アガルートは論証集(後述)などの教材も素晴らしく、重要問題習得講座と親和性があります。
お金が許すなら、すべてアガルート教材で揃えると最短で合格できると思います。
伊藤塾論文マスター
伊藤塾の予備校教材です(市販ではありません)。
科目によっては新伊藤塾試験対策問題集と被る問題も多いです。
新伊藤塾試験対策問題集よりもやや問題数が多いです。
新伊藤塾試験対策問題集を持っているなら必要ないかと思います。
論文マスターを完璧にすれば85%くらいの確率で司法試験合格できるイメージです。
過去問題集
先に紹介した問題集と被ってきますが、一応紹介しておきます。
先に紹介した問題集では主に「旧司法試験」の問題が収録されています。
なので新司法試験や予備試験の過去問を解きたいなら別途教材を探す必要があります。
「スタンダード100」を買えば全て揃いますが、参考答案が微妙なので却下です。
「伊藤塾試験対策問題集 予備試験論文」を買えば予備試験過去問は揃えられます。
わざわざ新司法試験や予備試験の過去問をやる必要はないかと思います。
ただし力試しに数年分はやっておいた方が良いとも思います。
信頼のおける参考答案が欲しいなら、予備校を利用するしかないですね。
論証集
アガルートの司法試験・予備試験 合格論証集
問題集を一周した後であれば、論証集が使えます。
論証集は問題集の参考答案から重要な部分を抜き出して再構成したものです。
論文を書く際、どうしても暗記が必要な内容があります。
そんな時、論証集を繰り返し読むことで覚えることができます。
司法試験の膨大な範囲の中から重要な内容を気軽に確認できる本です。
論証集はアガルートのものがおすすめです。
この本に書かれているフレーズはそのまま本試験でも使えます。
問題集もアガルートを使用していると親和性がいいですね。
ただ憲法と行政法が出版されていないのが痛いです。
アガルート予備校の論証集
アガルート論証集の憲法・行政法が出版されていない現状を考えると、予備校の利用もありです。
「論証集の使い方」という講座を受講すればもらえます。
重要問題習得講座よりも安いので手が出しやすいです。
テキストの質は合格論証集とほぼ変わらないです(予備校のは毎年改正されるが)。
論証集は単語帳のように繰り返すので、「論証集の使い方」講座の音声を繰り返し聞くのがおすすめ。
隙間時間を活用して論証を覚えられるのは非常にありがたいです。
趣旨規範ハンドブック
アガルートの論証集と比較されがちな本です。
ざっくりアガルートよりも論点網羅率が高く、内容は簡素です。
趣旨規範ハンドブックでは論証例はほぼ無く、結論や理由付けのみが書かれています。
なので自分で論証作りたい上級者向けかと思います。
論証集は何度も繰り返すので、論点網羅率も大事ですが本の薄さも大事です。
アガルートの論証集は音声付というのも強すぎるのでアガルートがおすすめです。
短答式問題集
短答過去問パーフェクト
ほぼ全ての受験生が使用していると思われる超定番本です。
新司法試験、予備試験の短答過去問がすべて収録されています。
これをやっておけばほかに何もいらないですが、とにかく分厚いのが欠点です。
あと解説が詳しすぎるので適宜飛ばしていく必要があります。
これを1周するだけでもかなりの時間がかかるのでモチベーション的に辛いです。
司法試験短答式の勉強方法
短答式試験の過去問は論文式試験の問題集が終わった後に取り組むのが原則です(先述)。
その上で短答過去問パーフェクトをどのように取り組むか?
いうまでもなく、全部の問題が解けるようになるのがベストです。
しかし時間がない場合は年度別に解くのもアリだと思います。
まずは最新年度の過去問を全科目解いていきます。
そして解けた問題には○を付けていき、正答率を算出します。
例えば予備試験の場合、一般教養科目抜きで8割取得が必要と仮定します。
既に8割取れた科目はいったん後回しにして、得点が低かった科目は次の年度を解きます。・・・
これを繰り返していくとモチベーションも保てます。
また間違えた問題のみ忘れた頃に再チャレンジすればよいです。
伊藤塾 合格セレクション
短答過去問パーフェクトと比較されがちな本です。
こちらは過去問のうち正答率が高い問題(重要な問題)に絞って収録されているので薄いです。
短答過去問パーフェクトをやって心が折れた時、オアシスのように見える本です。
しかし結論として、短答過去問パーフェクトの方がおすすめです。
大は小を兼ねるので、先述の通り問題を絞れば短答過去問パーフェクトでも続けられます。
予備校教材について
予備校にも短答対策講座がありますが、不要だと思います。
短答過去問パーフェクトで必要十分です。
択一六法、逐条テキストについて
択一六法もしくは逐条テキストは、法律の条文ごとに解説が書かれています。
法律学習の最重要ポイントは条文なので、とても良い教材のように思えます。
短答式、論文式の過去問で出題された箇所がチェックされています。
しかし結論として、これらのテキストなしでも合格できると思います。
短答過去問パーフェクトに心が折れた時、この教材を読むことで全範囲網羅できる気がしました。
しかしこの本を読んでも頭から抜けていくので、問題と格闘した方が記憶定着率は高いと思います。
法律学習のまとめノートとして使う方法もあるのでお好みでどうぞ。
択一六法
択一六法です。後述の逐条テキストよりもシェア率高いです。
ただし重厚感があり値段も高いので、個人的には逐条テキストの方がおすすめです。
逐条テキスト
択一六法か逐条テキストで迷ったらこちらの方がおすすめです。
薄くて値段も安いですし、色使いも見やすいです。
判例集について
法学部、法科大学院生にとっては必須の教材ですが、なくても司法試験合格できると思います。
私は使用しませんでした。
法律実務基礎科目、口述試験の勉強法について
司法試験予備試験においては論文式、口述式試験において実務基礎科目が出題されます。
実務基礎科目は先述した伊藤塾試験対策問題集か伊藤塾論文マスターで対応できます。
因みにアガルート重要問題習得講座には実務基礎科目がありません。
実務基礎科目は論点を学ぶというよりは過去問演習で学べば良いです。
因みに実務基礎科目は特に民法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法のあとに学ぶと良いです。
ただ実務基礎科目を学ぶと上記4科目の理解が進むので、少しずつ同時並行でやると良いです。
定番の実務基礎科目対策本です。
テキスト、論文過去問、口述試験再現がセットになっているのでこれ1冊で全て揃います。
ただしとりわけ分かりやすい本というわけでもないので、なくても良いかと思います。
口述試験再現があるのは貴重ですが、受験生の質によって解答の質もまちまちです。
実務基礎科目は覚えること少ないですが、民事実務基礎の要件事実は覚える必要があります。
この本は民事実務基礎のほぼ全範囲を網羅できているのでおすすめです。
法曹倫理の記載がないですが、これは条文素読のみでも対応できるので問題ないかと。
1問1答形式なので解説があっさりしています。
詳しい解説が欲しければ次に紹介する本で補いましょう。
民事実務基礎の超定番本です。
とてもしっかり書かれていますが、法律実務基礎科目にそれほど時間をかけるのは得策ではないです。
なので基本的には1問1答で対応すればよいと考えます。
伊藤塾の刑事実務基礎テキストです。
予備試験の過去問や口述試験も一部収録されています。
伊藤塾の本なので一応読みましたが流石分かりやすいです。
刑事実務基礎は覚えること少ないのでなくても対応はできますが。
選択科目の選び方やテキスト
選択科目は総じて市販教材が不足しています。
例えば選択者の多い労働法であれば、かろうじて伊藤塾のテキストがあります。
ただいずれにしても最重要教材である問題集を探す必要があります。
選択科目は予備校に頼った方が良いと思います。
租税法のおすすめ教材
私は租税法を選択しましたが、非常に良かったです。
まず司法試験合格後に公認会計士試験を目指すなら、租税法の知識が役立つ(かも)。
因みに司法試験合格していれば公認会計士試験の1次試験免除、2次試験の民法と会社法免除です。
なので2次試験の会計学、監査論、租税法を勉強すれば合格できます(余談でした)。
また租税法は刑法系に似ているので一度マスターすると得点が安定します。
ただ租税法の欠点は教材が少ないことです。
司法試験選択科目の定番本です。租税法以外も出版されています。
趣旨規範ハンドブックと司法試験、予備試験の過去問が収録されており、これ一冊でも戦えます。
ただ参考答案の質がばらばらなので、だんだんと不安になってきます。
選択科目は特に予備校を利用した方が良いです。
伊藤塾には租税法の講座が無いと思うので、アガルート一択かと思います。
過去問解析講座は必須です。できれば総合講義もとっておきたい。
定番の基本書です。
詳しいのですが、やはり司法試験には不要な内容も含みます。
読むのが大変なので、予備校に頼りたいところ。。
選択科目にあまり時間をかけたくないので。
私の勉強遍歴:失敗談多め
法律知識0の私が辿ってきた勉強方法を簡単に紹介します。
法律には民法、刑法、憲法・・・といった種類があることすら知らない状態から勉強を始めました。
失敗談多めです。私と同じ過ちを繰り返さないようにしてください。
短答対策から始める
資格試験における最重要教材は過去問です。これは司法試験にも当てはまると考えました。
なのでまずは「短答過去問パーフェクトの問題と解答を読む」勉強から始めました。
全く意味不明でしたが、持ち前の我慢強さで全科目読み終えました。
・・・非常に疲れただけでほとんど得るものはありませんでした。
範囲が膨大過ぎて1周するのに時間がかかりすぎるため、1周終わる頃には全て忘れていました。
本当に無駄で辛い時間を過ごしてしまいました。
スタンダード100に手を出す
次にスタンダード100を全科目読みました。
スタンダード100は過去問収録数ナンバー1の教材です。
過去問至上主義だった私はスタンダード100の問題と解答を全て読みました。
・・・なんかよく出てくるワードがあることを感じました。
今思い返すと、ここまでの学習は本当に無駄だったと思っています。
伊藤塾のテキストを読む
伊藤塾の入門シリーズや呉基礎本を読み始めました。
やっとまともな学習が始められた気がしました。
資格試験に慣れている人は、すぐ過去問に手を出したくなります。
ですが司法試験は小手先のテクニックで合格できるような甘い試験ではありません。
急がば回れの精神で、腰を据えてじっくりとテキストと向き合う時間が必要です。
またこの頃から六法の重要性に気付くことができ、急いで六法を買いに行きました。
基本書を読み漁ってしまう
呉基礎本は商法、民事訴訟法、行政法が出版されていません。
なのでどのテキストを読めば良いか悩み、結局定番の基本書に手を出していきました。
結論、非常に辛い思いをした割に得るものはほとんどありませんでした。
やはり予備校のテキストは素晴らしかったんだなと実感しました。
新伊藤塾試験対策問題集が素晴らしい
暗闇の中を手探りで歩いていた私に一筋の光を与えてくれた本です。
短答過去問パーフェクトやスタンダード100のように分厚い本ではありません。
比較的薄い本で読みやすく、そして内容やレイアウトも初学者に優しい。
この本を読んで、法的三段論法の意味が理解出来ました。
本当に、この本には感謝感謝です。
論証集に手を出す
結局、論文対策は論証を覚えればよいのでは?と考え、論証集に手を出しました。
最初に趣旨規範ハンドブックを読みました。
網羅性は素晴らしいのですが、これで論文が書ける気はしませんでした。
なのでアガルートの論証集に手を出しました。
市販の論証集だと憲法と行政法が出版されていないので、アガルートの講座を買いました。
論証集は役立ちましたが、まだ良く理解できていない内容が多いことに気付きました。
この論証はどういう問題で使うのか。これを体に叩き込むために、再度問題集に戻ることにしました。
予備校の論文対策講座に手を出す
新伊藤塾試験対策問題集は素晴らしいのですが、論点の網羅性にやや不満を持ち始めました。
どうしてもスタンダード100と比べてしまい、「これも、あれも、載ってない」と思いました。
かといってスタンダード100は参考答案の質に不安があるし。
ということで同じく伊藤塾の論文マスターに手を出しました。
新伊藤塾試験対策問題集と被る問題も多かったですが、論点の拡充に役立ちました。
そしてアガルートの重要問題習得講座に出会います。
論点の網羅性が素晴らしく、これを周回すれば合格できると確信しました。
今考えると、初めから重要問題習得講座を周回すれば時間短縮できたと思います。
改めて短答対策
論文の知識がある程度付いた段階で、改めて短答対策に目を向けました。
またあの短答過去問パーフェクト地獄に立ち向かうと思うとやる気がそがれました。
そこで逐条テキストや伊藤塾合格セレクションで代用できないか試してみました。
様々な試行錯誤の結果、結局短答過去問パーフェクトをやるしかないことに気付きました。
ですが1ページ目から順にやる気力はなかったので、年度別に取り組むことにしました。
論文対策を終えた後に短答対策に取り組むと、非常に効率良く勉強できました。
「これ論文でやった内容だな」という気づきがあり、メリハリのある学習ができます。
結局試験本番までに短答過去問パーフェクトを何度もやり込むことになりましたが負担は小さかった。
結論
今振り返ると、「伊藤塾のテキスト」と「重要問題習得講座」と「短答過去問パーフェクト」。
これが三種の神器だと思います。コスパよく最短で合格する方法かと思います。
ただ伊藤塾のテキストは出版されていない科目があります。
基本書を読むという深みにはまるくらいなら、テキスト代わりに予備校に頼ると良いです。
そうしたら更に最短で合格できると思います。