メーカーの研究職って何してるの?【大学の研究室との違い】

仕事

<こんな方の悩みを解決する記事です>

  • これから研究職を目指す大学生
  • 研究職への転職を考えている社会人

<この記事について>

私は京大大学院を卒業後、現在は大手電機メーカーの研究開発職に就いています。同じ研究でも、大学と企業では大きな違いがあります。企業の研究者という仕事に興味がある人の参考になれば幸いです。

はじめに

私は大学で研究者になるか、それとも企業で研究職に就くか、とても迷いました。

そして「企業の研究者ってどんなことしてるんだろう?」という好奇心から、就職を決めました。

結果、研究職とはまったく関係のない部署に配属されたのですが、この話はおいておきます(笑)

現在は研究職に就いていますので、大学の研究との違いを紹介します。

これから研究職を目指す方の参考になれば幸いです。

メーカーの研究職は何をしているか

以下、大学との違いに焦点を当てて紹介します。

実験作業が少ない

大学の研究室では、自分の手を動かして実験をしていたと思います。

メーカー(特に大企業)では、実験作業を行うためのアシスタントがいます。

研究者は実験計画を立てたり実験結果を考察したりする仕事がメインです。

もちろん自分で実験したければ出来ますが、時間の余裕がないです。。

これは大企業と中小企業で状況が異なるようです。

大企業ではアシスタントがいますが、中小企業にはいません。

中小企業では、係長などの管理職が実験計画を立てて、研究者が実験しています。

このように会社によって状況が異なることもあります。

研究以外の事を考える必要がある

大学の研究室では、与えられたテーマの遂行だけを考えればよかったです。

メーカーの研究者は研究内容以外のことを考える必要があります。

  • 安全管理

安全な実験作業方法や作業環境づくりが必要です。

大学では安全に対してルーズな所もありますが、メーカーでは安全第一です。

100%安全が確保できて初めて実験を実施することが出来ます。

  • コスト管理

企業では素晴らしい研究結果が得られても、利益にならなければ意味がありません。

研究自体にかかる費用や、実用化した時の利益計算が必要になります。

研究よりもお金の計算ばかりしている時があります(笑)

  • 関係者間の合意形成

企業では沢山の人が働いています。

自分の研究テーマを開始する時は様々な関係者から承認を得る必要があります。

また研究テーマを実用化する時も、様々な関係者間調整が必要です。

研究よりも人とのコミュニケーションが重要な場面も多々あります。

論文よりも特許を書く

大学では世界初の研究結果を論文に残すと思います。

企業では論文よりも特許を書くことが多いです。

そもそも企業では知的好奇心を満足させるためだけの研究はほとんど行わないので、世界初の研究結果が得られることも少ないです。

よく知られた技術を改良して、安定的に大量生産できて利益が出る方が重要です。

逆に新しい研究結果は過去実績がないという理由で敬遠されがちです。

(因みにトヨタ中央研究所など大学みたいな研究をしている企業もあります。)

最後に

大学生は研究室の研究しか経験が無いので、企業での研究はイメージできないですよね。

研究が好きな方は大学に残って研究するか、就職して研究するか迷うと思います。

このブログでは今後も企業での仕事について記事を書いていきたいと思います。

企業に入ると分かりますが、研究以外にもたくさんの仕事があります。

研究だけでなく広い視野を持って、将来の仕事を考えてもらえればと思います。

ぜひ就職活動や転職活動にも全力で取り組みましょう!

この記事を最後までご覧下さりありがとうございました。

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