「物理化学」はあらゆる化学系分野の基礎となる重要な科目です。大学院入試でも必要な科目です。
物理化学という名前からもわかる通り、物理と化学の中間にある学問になります。
また数学の知識も必要になります。
化学系の学生は物理や数学が苦手な人が多いので、物理化学は苦戦する人が多いです。
しかし重要な科目なので時間をかけて勉強してください。
いくつかの教科書を読んでみることをお勧めします。物理化学は時間をかけて学ぶ価値があります。
物理化学を更に深く理解したい方は、物理や数学を本格的に学ぶ必要があります。
物理化学のおすすめ教科書
物理化学要論
物理化学の導入書として読みやすいです。
ベーシック物理化学
物理化学の入門書として通読しやすいです。
たのしい物理化学(KS化学専門書)
2分冊でややボリュームありますが入門書として読みやすいです。
アトキンス物理化学(☆おすすめ☆)
物理化学の教科書として最も定番のアトキンスです。
情報量が多く、物理化学の知識を一通り網羅しています。
そして非常に読みやすいです。物理化学の教科書に迷ったらとりあえずこの教科書を選びましょう。
演習問題の解答は英語版になっています。
アトキンス 物理化学要論
アトキンス物理化学のコンパクト版です。
ムーア物理化学
古い教科書なので若干読みずらいですが、豊富な情報がコンパクトにまとまっています。
アトキンス物理化学に載っていない内容も含まれているので新しい発見があります。
物理化学の基礎をある程度理解した後に読んでみると面白いかもしれません。
演習問題の解答が日本語で嬉しいです。
マッカーリ・サイモン物理化学: 分子論的アプロ-チ(☆おすすめ☆)
非常に分かりやすい教科書なのでぜひ読んでおくべきです。
物理化学は難しい科目なので、アトキンスやムーアを読んでも理解できない可能性があります。
そんな時にこの教科書を読むと、霧が晴れるように理解することが出来ます。
また物理化学を学ぶために必要な数学的知識も解説してくれているのがありがたいです。
因みに量子化学や熱力学に関しては詳しいですが、省略されている分野もあるので網羅性は低いです。
物理化学を一通りマスターしたい場合は、アトキンスやムーアで補う必要があります。
演習問題の解答は英語版になります。
バーロー 物理化学
アトキンスやマッカーリサイモンと比較すると影が薄い印象です。
敢えて選択する必要は無いかと思います。
現代物理化学
純正和書でかつ1冊でしっかり学びたいならおすすめです。
金属物理化学 (金属化学入門シリ-ズ)
材料工学系のための物理化学の本です。難易度は高めです。
大学院講義物理化学
物理化学を極めたい人におすすめする参考書です。
アトキンスやマッカーリ・サイモンを学習した後に興味があれば読んでみてください。
分子動力学のおすすめ教科書
物理化学の教科書にも分子動力学の内容が含まれていることがあります。
しかしながら専門的に学ぶには不十分であることが多いです。
分子動力学についてしっかり学ぶ際は専門的な教科書が必要になります。
分子シミュレーション: 古典系から量子系手法まで
原子・分子から構成された凝縮系のシミュレーションの理論的基礎と方法について学べます。
コンピュータ・シミュレーションの基礎: 分子のミクロな性質を解明するために
コンピュータ・シミュレーションについて非常に詳しく学べます。
タンパク質計算科学 ―基礎と創薬への応用―
タンパク質の計算について非常に詳しく学べます。
電気化学のおすすめ教科書
物理化学の教科書にも一部記載がありますが、内容的に乏しいことが多いです。
専門的に学ぶなら、専門書を読んだ方が良いです。
生物物理化学のおすすめ教科書
生物物理化学は物理化学の中でも生物に焦点を当てた学問です。
例えば熱力学や統計力学の知識を用いてタンパク質の構造解析や酵素の速度反応論を論じたりします。
アトキンス 生命科学のための物理化学
物理化学の教科書として一番に名前の挙がるアトキンスです。こちらは生命化学系におすすめです。
化学・生命科学系のための物理化学
アトキンスが合わないと感じた場合に試してみたい本です。
生命科学系のための物理化学
「化学・生命科学系のための物理化学」よりもボリュームが抑えられています。
熱化学のおすすめ教科書
物理化学の教科書にも熱化学の内容が記載されています。
物理化学の教科書を読んでも理解できない場合は、熱化学の専門書を読むと良いです。
放射化学のおすすめ教科書
放射化学では原子核の構造について深く踏み込みます。物理化学の教科書にはほぼ記載がありません。
化学系の学生は原子核と電子(特に電子)さえ理解しておけば、事足りることがほとんどです。
よって放射化学を深く学ぶ学生は少ないです。
ですが「原子核の構造」って面白そうではないですか?
放射化学の本を1冊読めば、全体像を把握することが可能です。
また私たちは普段意識していませんが、自然界の様々な放射線に被曝して生きています。
放射線は医療分野でも診断や治療に用いられています。
現代放射化学
放射化学の入門書としておすすめです。
放射化学概論
放射化学に関する標準的な教科書です。
新 放射化学・放射性医薬品学
薬学系の方におすすめです。
放射線技術学シリーズ 放射化学
診療放射線技師の国家試験対策にもなる教科書です。


