<こんな方の悩みを解決する記事です>
- 物理化学のお勧め教科書を知りたい
- 京大の学部生が使用している教科書で勉強したい
- 他大学から京大大学院に編入したい

- 独学で京大に現役合格
- 京大院卒の研究者
- 専門書1000冊読破
- 国家資格を多数取得
化学系のおすすめ教科書は以下の記事にまとめています(リンク集になります)。
この記事では、教科書/参考書という言葉を使い分けています。
- 教科書・・・講義で使用するもの
- 参考書・・・講義では使用しないが、学生の理解を助けるもの
物理化学の教科書
化学には「有機化学」、「無機化学」、「分析化学」など様々な分野がありますが、「物理化学」はあらゆる化学系分野の基礎となる重要な科目です。
大学院入試でも必要な科目です。
物理化学という名前からもわかる通り、物理と化学の中間にある学問になります。また数学の知識も必要になります。
(化学数学のおすすめ教科書は以下の記事で紹介しています。)
化学系の学生は物理や数学が苦手な人が多いので、物理化学は苦戦する人が多いです。
しかし重要な科目なので時間をかけて勉強してください。
いくつかの教科書を読んでみることをお勧めします。物理化学は時間をかけて学ぶ価値があります。
物理化学を更に深く理解したい方は、物理や数学を本格的に学ぶ必要があります。
以下の記事もおすすめです。

物理化学要論: 理系常識としての化学

京大の全学共通科目で使用する教科書です。
物理化学を専門としない方の教養本としてどうぞ。
ベーシック物理化学

京大工学部で使用する教科書です。
最初のとっかかりとしておすすめです。
たのしい物理化学

京大農学部で使用する教科書です。
簡単に学びたい場合はおすすめです。
アトキンス 生命科学のための物理化学

京大農学部で使用する教科書です。
物理化学を専門にするわけではないが、ある程度しっかり学んでおきたい方におすすめです。
アトキンス物理化学(☆おすすめ☆)


京大工学部工業化学科で使用している教科書です。
情報量が多く、物理化学の知識を一通り網羅しています。
そして非常に読みやすいです。物理化学の教科書に迷ったらとりあえずこの教科書を選びましょう。
アトキンス物理化学 問題の解き方 英語版(☆おすすめ☆)

アトキンス物理化学に記載されている演習問題の解答集になります。
アトキンス物理化学を学習する場合はセットで購入しておくと良いと思います。
英語版のみが販売されています。
演習問題の解答なので英語でも理解できると思います。
購入する際は所有している教科書と同じ版のものを買うようにして下さい。
ムーア物理化学


京大工学部工業化学科で使用している教科書です。
古い教科書なので読みずらいです。情報量はまあまあ多いです。
アトキンス物理化学に載っていない内容も含まれているので新しい発見があります。
物理化学の基礎をある程度理解した後に読んでみると面白いかもしれません。
ムーア物理化学 問題の解き方
ムーア物理化学に記載されている演習問題の解答集になります。
ムーア物理化学を学習する場合はセットで購入しておくと良いと思います。
日本語で書かれているのでありがたいです。
購入する際は所有している教科書と同じ版のものを買うようにして下さい。
マッカーリ・サイモン物理化学 日本語版(☆おすすめ☆)


理学部化学教室の教科書になります。
英語版が教科書に指定されているのですが、日本語版もあるので日本語版で良いと思います。
非常に分かりやすい教科書なのでぜひ読んでおくべきです。
物理化学は難しい科目なので、アトキンス物理化学やムーア物理化学を読んでも理解できない可能性があります。
そんな時にこの教科書を読むと、霧が晴れるように理解することが出来ます。
また物理化学を学ぶために必要な数学的知識も解説してくれているのがありがたいです。
因みに、量子化学や熱力学に関しては詳しいですが、省略されている分野もあるので網羅性は低いです。
物理化学を一通りマスターしたい場合は、アトキンス物理化学やムーア物理化学で補う必要があります。
マッカーリ・サイモン物理化学 問題の解き方 英語版(☆おすすめ☆)

マッカーリ・サイモン物理化学に記載されている演習問題の解答集になります。
マッカーリ・サイモン物理化学を学習する場合はセットで購入しておくと良いと思います。
英語版のみが販売されています。
演習問題の解答なので英語でも理解できると思います。
購入する際は所有している教科書と同じ版のものを買うようにして下さい。
Physical Chemistry: A Molecular Approach

京大理学部で使用する参考書です。
マッカーリサイモン物理化学の英語版です。
バーロー 物理化学


京大の全学共通科目で使用する参考書です。
個人的には可もなく不可もなくといった印象です。
現代物理化学
理学部化学教室の教科書に指定されています。
特に熱力学を学ぶのに適した本だと思いました。
基礎物理化学

京大理学部化学教室の参考書に指定されています。
京大の先生によって書かれた本なので、分かりやすく感じました。
物理化学大義―Innovated 事象と理論の融合

京大薬学部で使用する参考書です。
この本は読んだことないです。
物理化学


京大薬学部で使用する参考書です。
薬学部性が学ぶべき物理化学が網羅されています。
金属物理化学

京大工学部で使用する参考書です。
材料工学系のための物理化学の本です。
難易度は高めです。
大学院講義物理化学


京大理学部で使用する参考書です。
物理化学を極めたい人におすすめする参考書です。
アトキンス物理化学やマッカーリ・サイモン物理化学を学習した後に興味があれば読んでみてください。
熱化学(熱力学)の教科書
物理化学の教科書にも熱化学(熱力学)の内容が記載されています。
物理化学の教科書を読んでも理解できない場合は、熱化学(熱力学)の専門書を読むと良いです。
以下の記事を参照ください。
化学系の学生であれば、熱化学と書かれた本の方が読みやすいかもしれません。
(熱化学と熱力学の内容はほぼ同じなので安心ください)
統計力学の教科書
物理化学の教科書にも統計力学の内容が記載されています。
物理化学の教科書を読んでも理解できない場合は、統計力学の専門書を読むと良いです。
以下の記事を参照ください。
量子化学の教科書
物理化学の教科書にも量子化学の内容が含まれています。
しかし量子化学をより詳しく学びたい方は、より専門的な教科書を読んでいきましょう。
以下の記事を参照ください。
またこのレベルの方は、量子力学を学ぶこともおすすめします。
分子動力学・化学反応論
物理化学の教科書にも分子動力学・化学反応論の内容が含まれていることがありますが、専門的に学ぶには不十分であることが多いです。
分子動力学・化学反応論に特化した本を紹介します。
分子シミュレーション: 古典系から量子系手法まで

京大工学研究科(大学院)で使用する参考書です。
分子動力学についてしっかりと学べます。
実践分子動力学シミュレーション

私が個人的に読んだ本です。
分子動力学法について実践的に学べます。
はじめての化学反応論 (岩波オンデマンドブックス)

理学部化学教室の参考書です。
入門書としておすすめです。
比較的新しい本なので読みやすいです。
分子衝突と化学反応
理学部化学教室の参考書です。
反応動力学の入門書として非常に有名な本です。
Free Energy Calculations

京大理学部で使用する参考書です。
自由エネルギー計算について書かれています。
専門的な内容です。
Biomolecular Simulations

京大理学部で使用する参考書です。
生体分子のシュミレーションについて学べます。
Protein Actions

京大理学部で使用する参考書です。
タンパク質のシュミレーションについて学べます。
電気化学
物理化学の教科書にも一部記載がありますが、内容的に乏しいことが多いです。
専門的に学ぶなら、専門書を読んだ方が良いです。
以下の記事を参照ください。
生物物理化学
物理化学の教科書にはほとんど記載がありません。
以下の記事を参照ください。
放射化学
物理化学の教科書にはほとんど記載がありません。
以下の記事を参照ください。
最後に
私が京大工学部工業化学科で使用した教科書を紹介しました。
さすが京大で使用されているだけあって、大学化学の教科書として非常に優れたものが揃っています。
また京大大学院入試を受ける際は、ここで紹介した教科書を読んでおくことを強くお勧めします。
大学院入試は学部での講義を元に作成されるからです。
この記事を最後までご覧下さりありがとうございました。